会長挨拶
この度、第50回日本消化吸収学会総会を2019年10月5日(土曜日)に羽田空港第1ターミナル6Fのギャラクシーホールで開催させていただきます。
本総会は、私の尊敬する松崎靖司先生(東京医科大学茨城医療センター 消化器内科 教授)が担当するはずでしたが、2018年12月9日にご逝去されました。胆汁酸研究をライフワークにされ、消化吸収学会のみならず消化器関連学会のほとんどに長年貢献された松崎教授が主催される本学会を、私自身大変楽しみにしておりましただけに、松崎先生の急逝は痛恨の極みです。総会事務局を設置していた東京医科大学の先生方と日本消化吸収学会役員の先生方が協議し、2020年担当であった小医が前倒しして担当させていただくこととなりました。
ポスターは松崎先生が大きな思い入れをもって作成して下さった茨城の風景が描かれています。大会テーマ「セレンディピティの追求」が示すように、すてきな偶然に出会ったり、予想外の発見をしたり、探しているものとは別の価値があるものを偶然見つけたときの驚きと幸福感を感じさせる風景です。松崎先生が日本消化吸収学会に求めていたのは、筋書きのある研究ではなく、思いがけない研究テーマの発見の予感を感じさせ、原石を拾い上げるような高揚感をもった学会の姿であったような気が致します。ポスターに映っている雲、山並、波、そして天体はすべて自己相似であるフラクタル図形であり、自己組織化によって誕生した生体を思わせる幾何学模様をなしています。松崎先生の思いをそのまま第50回のテーマとして掲げて参りたいと思います。
また、昨年同様にトランスポーター研究会の第4回東部会と同時開催とさせていただくことになりました。また、日本消化吸収学会50周年を記念した企画をプログラム委員と理事の先生方と知恵を絞っております。どうぞご期待ください。
生体のもっとも基本的機能である消化吸収は、セレンディピティの幸福感を実感できる学会として、さらに歩んでいきたいと思っております。多くの先生方が偶然の発見、ダイヤの原石のような“ひらめき”を体感できるような総会にしたいと願っております。多数の皆様のご参加をお待ちしております。
第50回日本消化吸収学会総会 会長
東邦大学総合診療・救急医学講座 瓜田純久